アルスギャラリー18周年記念
藤原彩人 展 「像化-軸と周囲-」
日 程 | 2020年5月12日 (火)〜5月24日 (日) 月曜日 休廊 |
時 間 | 12時〜19時(最終日は17時まで) |
新型コロナウィルスの影響により、開催を延期とさせていただきます。
藤原 彩人
建築家北川原温氏が設計したアルスギャラリーは「寡黙であることこそ無限の可能性を演出する」というコンセプトのもと、素晴らしい空間が作られている。しかし私はこの展示空間となる真っ白のキュービックな2つの空間に、正直、難しい印象を持った。それは完成された無の空間、それだけで十分な説得力を持つ無言の強いヴォリュームを持っているからである。
例えばそれはドローイングも同じであると考える。真っ白な四角い紙は凛として張り詰めたモノとして存在している。その紙に絵の具で点を打った瞬間、それは失われる。しかし支持体となる紙と表現物となる線や色との関係を何かしら築くことで未知なる世界が創造される。
私は制作において、一期一会に関係性を築きながら、モノとモノの関係性から新たな像を生み出すことを目的としている。それは展示も同じことである。
完成された空間は、作品を置くことで、もしかしたら壊れるかもしれない。だから故に、この空間に真摯に対峙し、緊張感を持って作品を「置く事」を楽しみ、作品と空間の関係性から生み出される可能性をこの展覧会で演出できればと思う。