アルスギャラリー4周年記念
『 高木由利子 写真展「BEHIND THE DOOR」』
< behind the door > 人の存在の不確かさ 人と人の関係の不確かさ つかみどころのない時空の中で 人は何を頼りに生きているのだろう? 混乱の中に瞬時の秩序を垣間見ては、人はさまよう。 不安の中にあるやすらぎを見い出して、又人はさまよい続ける。
「何もたしかではない」ということだけを認知しつつ私たちは前進する。
米林雄一の彫刻を眺めるうちに、いつの間にか、 自分の心のかたちを見つめている自身に気づく。 目覚めた一瞬に、 いつか浴びる冬の夜の張りつめた空気を思い起こす。 まばたきした一瞬に、 いつか迷い込む流星群の軌道に誘われる。 息を吐いた一瞬に、 いつか触れる宙の限りない広さに溶け込む。 世界は、かすかにきらめき、 彼方からためらいがちにやってくる。 気づいて、私は耳を閉じ、 一瞬の間をおいて、再び耳をそばだてる。